5/10から4泊5日、母が通っている太極拳教室主宰の「気功太極拳」ツアーに参加した。
NHKやよみうり文化センターで講師をされている長岡帰山先生について、
桂林、西安を訪ね、現地の太極拳のグループと交流会をし、
太極拳発祥の地である中国の空気を味わいながら体験する、というものである。
私は太極拳は鍼灸の学校で体育の時間に八段錦を少々かじっただけで、一人だけ部外者だったが、
めったにないチャンスと、太極拳を体験させていただくことになった。
長岡先生の太極拳の指導理念は、
「初めての高齢者の方にも続けられる、健康を目指す太極拳」を広めてゆくことである(詳しくはHPを参照)。
無理に高く足を上げることなく、ゆっくりとした動きで、
主に上半身を使った不老拳(24式のうちの1〜9式)を中国の方に見ていただくことがこの旅の目的の一つ。
一見派手でない動きの中にも気をピンと張る、その場の空気を味わいながら天地人を感じて流れを作る、など、
イメージを使ってその人なりの太極拳をしていく(という指導法と感じた)。
交流会ではまず我らが帰山会から不老拳を見ていただいた。
その後、63歳リーダーの女性6名のグループの演舞を見せていただく。
(写真は桂林の先生方)

帰山会、と簡単に書いてはみたが、
恐ろしいことにほぼ初心者の私も参加することになり、
24式の流れを覚えていない私が一員として参加していいものかと躊躇したものの、
長岡先生はじめ、周囲の皆様の「いいじゃない」の声に、
私一人奇妙な踊り手(としか言いようがない)として参加してしまったのだ。
桂林のグループの方々は、名前は失念したが有名な先生方だったらしく、
6人の所作はまさに流れるようで、その場が6人によって一つの空気を作り出しているさまが素晴らしかった。
流れといってもただ形がきまっているだけではなく、太極拳独特のうねりや練りが見ている側にも伝わってくる。
演舞が終わると帰山先生はお互いの太極拳について意見交換となったが、
桂林の先生はどうコメントしたらよいかしばらく考えていらっしゃったように見えた。
その後に、6人の先生方から細かい指導を受けて感じたのだが、
リーダーの先生がコメントに躊躇したのは、多分太極拳の目的が違っていたからだろう。
目的というか、指導法、登山でいえば登るルートというべきか。
中国の方は太極拳をいくつからはじめるのは知らないが、
先生につくときには多分に型をみっちり仕込まれる。
手の上げ方、腰の向き、目線の方向。などなど。
そのときはできなくとも、その形になるべく目標に近づこうとする。
交流会に参加してくださったのは、型を守破離、と超えて今がある先生方という感じがした。
我々のグループは、無理なく、形にこだわりすぎるよりも、
その人らしくゆっくりと身につけていこう、というルートを辿っているのだろう。
それは歴史、文化、風土の違いも影響しているだろうけれども、
こうして一つの団体に所属しながら他を見ることは、別の視点から自分のルートも確認できる。
交流会のよいところだ。
先生のリーダーが「太極拳は中国の宝」とおっしゃっており、
太極拳に中国人であることの誇りを感じて、太極拳そのものが生き方として身に染みこんでいる様子が印象的であった。
お互いに同じ道を求めつつも登り道が違うというのは、操体の業界でもあることだ。
自分がどんな風にしてその山を登って行きたいのか、足元と山全体をみることが自分は出来ているのか、時々見直さなければならないなあ。

ちなみに上の写真はその翌日に泊まった西安のホテルに毎朝指導にいらした先生。
この先生は男性的で「武術的な強さ」を感じさせる動き。
動きも筋肉のつき方も桂林と西安でお会いした先生は対照的で、中国でも流派によって歩むルートがいろいろあるのだろう
(主なものでも5つの流派があるらしい)。
終始にこやかだが、やはりかたちは厳しくびしっと指導する。
おかげで中華料理をたらふく食べても、下半身は逆にひき締まって帰ってこれたほど。
(まあ、続けなければ意味がないのだが)。
それにしても、帰山先生は太極拳ヒヨコ組の私をよく交流会に参加させてくださったものだ。
形を覚えていない私がちらちら周りを見ながらやっているということそれ自体、
全体の流れに投石しているのだ、と後になって気づいた。
そうなるとわかっていたら、はじっこで見学させてもらったのに…。
しかし体験して初めてわかったこともあるので(出来たかどうかは別として)、
個人的には参加させていただいたことに感謝している。
目線の動きで体が合目的に動くこと、
上半身がブレないための腰の使い方、など。
やっぱり何をするにしても正しいからだの使い方って同じなのだ。
長岡帰山 気功太極拳「鶴の舞」
http://www.kikoh-taiji.com/top.html